伝統食「おしぼりうどん」
その名前の由来はねずみ大根のおろしを布巾やガーゼなどで絞ることから「おしぼり」の名があります。
ねずみ大根の絞り汁に味噌、かつお節、ねぎなどの薬味をお好みで入れ、釜揚げうどんを浸けて食べるシンプルで独特な食べ方は、「あまもっくら」とした味と表現されるように、辛さの後からほのかな甘味を感じる奥深い味わいで、汗が出るほど体の芯から温まるのが特徴です
また、辛味大根はそばや焼き魚などの薬味としておろしで使われるのが一般的ですが、「おしぼりうどん」はおろしの部分は使わず、絞り汁だけを使ったある意味贅沢な食べ方で、お好みで辛さを調節できるのも魅力のひとつと言えるかもしれません。
その昔、賓客を「おしぼりうどん」でもてなすため、家族総出でねずみ大根をおろしたとされるほど地域を代表する食文化のひとつです。
準備するもの(お一人様分)
材 料
ねずみ大根・・・2/3本分
味 噌・・・・・・大さじ1
かつお節・・・・・大さじ1
ね ぎ・・・・・・適宜
う ど ん・・・・・・1パック
用 具
ガーゼ又は布巾・・・・・・・1枚
おろし金又はジューサー ・・・1台
鍋・・・・・・・・・・・・1個
どんぶり(うどん用) ・・・1個
茶碗(絞り汁用) ・・・・・1個
皿(薬味用)・・・・・・・・1皿
作り方
- 鍋にお湯をたっぷり沸かします。
- 沸騰したお湯にうどんをほぐして入れ、茹でます。
- 薬味となるねぎを細かく刻み、かつお節、味噌を皿に盛り合わせておきます。
- 茹で上がったうどんをどんぶりにあけ、冷めないようにゆで汁を少し入れておきます。
- ねずみ大根を手早く摩りおろし、ガーゼ(または布巾)でしぼり汁を汁椀に取ります。
(または、ジューサーで絞り汁を取っていただいてもOKです。ただし、摩りおろして10分程度で辛味が薄くなるため、食べる直前に手早くおろすのがコツです。) - 汁椀のねずみ大根のしぼり汁にお好みで味噌、かつお節、ねぎを入れ、味を調整した後、うどんを浸けて食べてください。
※ワンポイント アドバイス
おろし金で摩りおろす場合は、ねずみ大根をおろし金に対して垂直に立て、円を描くように力強く回しながらおろすと辛味が増します。昔から『怒りながら大根をおろすと辛くなる』といわれているのは、まさに理にかなっていると言えます。
また、皮付きのままのねずみ大根を摩りおろすと辛味が増すほか、大根の根の先端の方が辛いということも知っておいていただくと、良いかもしれません。
※留意点
初めて食べる方は、味噌を多めに入れると辛さが和らいで食べやすくなるほか、砕いたくるみを少々入れると味がまろやかになるので、お試しください。
逆に食通の方は味噌を入れずにその他の薬味だけを入れてうどんを食べる場合やさらに醤油を少し入れて辛味を増して食べる方もいらっしゃいます。